2024.04.30
すべての悩みは人間関係の悩み
執筆担当者:
アドラー心理学の視点から②
今回は他者との関りのコントロール方法として対人関係を改善するための具体的な方法をみていきましょう。
1.自己理解:
感情の認識: 自分の感情を理解しましょう。どんな状況でどのように感じるのか、自分の感情を意識的に観察してみてください。付箋などを使用して、その時感じたことをメモしておくと、あとから思考の癖を整理するときに役立ちます。
例えば:疲れて帰ってきたときに、いきなり「明日のお弁当はいらない。」と言われるととても強い苛立ちと怒りを覚える。➡疲労しているときはマイナス思考に陥りやすい
欲求の認識: 自分の欲求やニーズを理解することも重要です。他者との関係で何を求めているのか、自分にとって重要なことを考えてみてください。やはり付箋を使用して、こういう時にはこうして欲しいとメモしておくと整理しやすいです。
例えば:仕事で失敗した時には、あれこれ慰めの言葉をかけられるより、そっとしておいて欲しい。➡自己解決を望む性格
2.コミュニケーションスキル:
聴く力: 相手の話を注意深く聞くことが大切です。相手の意見や感情に耳を傾け、共感を示しましょう。また、反対意見だったとしても否定から入るのではなく、まずは相手を認めることから始めるとトラブルなく話が進みやすいです。
言葉選び: 言葉は強力なツールです。相手を尊重し、傷つけないように注意深くコミュニケーションを取りましょう。特に自分と違う意見の時は要注意です。どうしても人は自分の正しさを押し付けがちですが、正しさは時に相手を叩き潰してしまいます。立場が上の人は言葉選びを慎重に!
非言語コミュニケーション: 身振りや表情、姿勢などの非言語的なコミュニケーションも重要です。相手の感情を読み取り、適切に反応しましょう。
3.共感と思いやり:
- 相手の立場を理解する: 相手の視点や状況を理解しましょう。
例えば:子育て中だから朝は忙しいだろう。今日は病院に行くと言っていたから夕方以降に連絡しよう。など、相手が置かれている状況や立場を思いやる癖をつけましょう。
感謝の表現: 相手に感謝の気持ちを伝えることで、良好な人間関係を築きましょう。お互いに思いやりを持ち、助け合いましょう。やってもらうことは当たり前でなく、やってもらえてありがとうの気持ちを時に言葉で伝えるとぐっと人間関係はよくなります。近い人ほど「ありがとう。」は言えていないことが多いものです。
結論
会議の話し合いで意見の違いでもめることや夫婦間でちょっとしたボタンのかけ違いから喧嘩に発展することはよくあります。
自分と他者は違って当たり前。
自分の正義と他者の正義も違います。
意見が違ったときに言葉の応酬をすると人間関係は破綻の一途をたどります。
よい人間関係を築くためには、まずは自分の思考の癖を理解し、他者に対して言葉を発する時には一呼吸おいて攻撃的な言葉は避けるようにしましょう。
感情をコントロールすることこそが大人としての立ち振る舞いだと思います。